新大阪駅のJR東海発行の駅名式特別補充券を掲載する。

新大阪駅名式
JR東海 新大阪駅 駅名式 特別補充券

この券も多客時に臨時発売していたものだ。年の特定が難しいが、おそらく車内補充券発行機(車発機)が普及する平成3年以前かと推測する。

伝統的に使われてきた入鋏により穴を空けるタイプで、JR西日本管内にあたる在来線の駅名もたくさん印刷されているため、国鉄時代から設備していたものを踏襲して作成している。

ただ、特筆すべきは上部に「幹◯自特急」の印が押印されており、新幹線自由席特急券専用として使用している点が特徴的だ。

そもそもこの様式は、乗車券と特急券のどちらも発行可能だが、特急券として発行する場合、券面上部の該当する欄「幹◯自特急」などにひとつ入鋏するのみであり、視認上は乗車券なのか特急券なのか非常に判別しにくい弱点がある。

そこで、発売前に予め全ての券に「幹◯自特急」と押印することにより、特急券であることを強調し、視認性を高めている。無論、乗車券としては発売できなくなるデメリットもあるが。

また、発売区間をよく見ると京都着で発行しており、厳密には新幹線自由席特急券ではなく、新幹線特定特急券となる。

おそらくこのあたりの使い分けはせず、全ての新幹線区間に対して「幹◯自特急」の押印があるものを使用していたものと思われる。

駅名式の特別補充券を用いて新幹線の特急券を発売していることから、おそらく新大阪駅にはひとつ前の記事で掲載したような、特急券専用の短冊式の券がなかったのではないかと推察できる。